イタリア電車の正しい乗り方|トレニタリアとイタロ徹底比較

イタリア電車に乗る日本人男性 旅・観光・芸術

イタリアを旅するとき、電車は主要都市をつなぐ便利な移動手段です。しかし、日本とは改札の仕組みやチケットの使い方が異なり、戸惑う人も少なくありません。特に打刻(刻印)を忘れると罰金の対象になることもあるため、事前の理解が大切です。

この記事では、イタリアの代表的な鉄道会社「トレニタリア」と「イタロ」の違いを中心に、チケットの購入方法、ホームや掲示板の見方、検札の流れなど、旅行中に実際に役立つポイントをわかりやすく整理しました。初めての方でも安心して電車旅を楽しめるよう、注意点や便利なアプリ情報も紹介します。

観光都市間の移動をスムーズにするために、イタリアの電車システムを正しく理解しておきましょう。この記事を読めば、現地で慌てることなく、快適に鉄道の旅を満喫できます。

  1. 初めてでも安心:イタリア 電車 乗り方の全体像
    1. 日本とのちがいを3分で把握(改札の有無・検札方式)
    2. 駅の掲示板と案内表示の読み方(Departures/Arrivals)
    3. チケットの種類と有効区間・有効時間の考え方
    4. 打刻(刻印)が必要なケースと不要なケース
    5. よくあるミスと高額罰金を避ける基本ルール
  2. チケット購入の完全ガイド(オンライン・券売機・窓口)
    1. 公式サイト/アプリでの事前購入手順と注意点
    2. 駅の自動券売機の使い方(言語切替・支払い・受取)
    3. 有人窓口の頼み方と混雑回避のコツ
    4. 座席クラス・運賃種別(変更・払い戻し条件)の選び方
    5. 割引プロモ・早割の探し方と注意事項
  3. 乗車前〜車内の動き方:失敗しない手順とマナー
    1. 出発ホームの確認と乗り遅れ防止チェック
    2. 車両番号・座席番号の場所と読み取り方
    3. 荷物置き場と防犯の基本(スリ対策・ワイヤーロック)
    4. 検札対応の流れとチケット提示のベストプラクティス
    5. ドア開閉・降車タイミングと乗り間違い対処
  4. トレニタリアとイタロを徹底比較
    1. 運営会社と路線のちがい(国鉄系vs私鉄系)
    2. 高速列車の種類と特徴(フレッチャ系/イタロ)
    3. 所要時間・料金・快適性の比較ポイント
    4. どちらを選ぶべきか:旅程別のおすすめシナリオ
    5. トレニタリア・パスの仕組みと使いどころ
  5. 便利アプリ&運行情報の集め方
    1. 公式アプリの基本機能(検索・予約・チケット表示)
    2. サードパーティの活用(比較・遅延通知・価格監視)
    3. ストライキ情報・運休情報のチェックルート
    4. 遅延・運休時の払い戻しや振替の進め方
  6. 主要都市・空港アクセスの実例集
    1. ローマ⇄フィレンツェ:本数・所要・料金の目安
    2. ミラノ中央駅と空港連絡(マルペンサ・ベルガモ)
    3. ヴェネツィア行きの注意点(サンタルチア/メストレ)
    4. ナポリ・南イタリア方面へ行くときの選択肢
    5. シチリア島の事情(列車とバスの使い分け)
  7. トラブル回避と安全対策の実践知
    1. 駅・車内のスリ/詐欺パターンと未然防止
    2. ストライキ発生時の動き方と代替手段(バス・配車)
    3. ルール・マナーと知っておくべきローカル常識
    4. 子連れ・高齢者・大荷物での移動を楽にする工夫
    5. 深夜・早朝便を使うときの安全チェックリスト
  8. まとめ
  9. 当ブログの主な情報源

初めてでも安心:イタリア 電車 乗り方の全体像

イタリアの電車は、都市間の移動に欠かせない交通手段です。しかし日本と違い、改札がない駅や打刻機の存在など、最初は戸惑う点が多いものです。ここでは、基本的な流れと気をつけるべきポイントを整理していきます。

日本とのちがいを3分で把握(改札の有無・検札方式)

イタリアの駅には、日本のような自動改札がほとんどありません。そのため、切符を購入した後は「打刻機(Convalidatrice)」で有効化する必要があります。車内では検札員が巡回し、未打刻や無賃乗車には高額の罰金が科されます。つまり、改札がない分、自己管理が求められる仕組みです。

一方で、オンラインチケットやアプリでの予約の場合はすでに日付や便が指定されており、打刻不要の場合もあります。この違いを理解しておくことで、現地で慌てることなく乗車できます。

駅の掲示板と案内表示の読み方(Departures/Arrivals)

駅構内には大きな電光掲示板があり、「Departures(出発)」と「Arrivals(到着)」に分かれています。掲示板には列車番号、目的地、出発時刻、ホーム番号(Binario)が表示され、列車の遅延や変更もリアルタイムで更新されます。

イタリア語での表記に慣れない場合も、「Partenza=出発」「Ritardo=遅延」といった基本単語を押さえておけばスムーズです。出発ホームは直前に変更されることもあるため、こまめな確認が大切です。

チケットの種類と有効区間・有効時間の考え方

イタリアのチケットは、特急や高速列車のように日時指定の「指定券」と、ローカル線など自由に使える「オープンチケット」に分かれます。指定券は打刻不要ですが、オープンチケットは使用前に必ず打刻が必要です。

また、打刻後の有効時間(通常2〜4時間以内)を超えると無効になるため、乗り遅れた場合は再購入が必要です。列車タイプごとのルールを理解しておきましょう。

打刻(刻印)が必要なケースと不要なケース

打刻が必要なのは、券売機や窓口で発行される紙チケットです。打刻機は黄色または緑色で、ホームの入り口付近や駅構内に設置されています。チケットを差し込み、「カチッ」と音がすれば完了です。

一方、オンライン購入やアプリ内チケットにはQRコードと乗車時間が記載されており、自動的に有効化されています。この場合は検札時にスマートフォン画面を提示すれば問題ありません。

よくあるミスと高額罰金を避ける基本ルール

打刻忘れや乗車券の誤使用は、最も多いトラブルです。検札員は例外を認めず、現地でその場徴収されることもあります。罰金は50ユーロ以上になることもあるため、出発前の確認が必須です。

また、チケットをコピーしたり譲渡したりする行為も禁止されています。発券から使用までの流れを正確に守ることが、安全で快適な旅の第一歩です。

チェックポイント:
・改札がないため自己管理が基本
・紙チケットは必ず打刻を忘れずに
・オンライン購入なら打刻不要
・検札員に備えてチケットは常に携帯
・出発ホームは直前に変更されることも

具体例:ローマ・テルミニ駅で券売機チケットを購入した場合、ホームへ向かう前に改札横の打刻機で刻印する必要があります。刻印を忘れて乗車した場合、車内検札で50ユーロ以上の罰金を科されることがあります。

  • イタリアの駅は改札がない
  • 紙チケットは打刻必須、電子チケットは不要
  • 掲示板の表示語を理解すると安心
  • 罰金防止には出発前の確認が重要

チケット購入の完全ガイド(オンライン・券売機・窓口)

ここでは、イタリアでチケットを購入する3つの方法を詳しく見ていきます。旅行者にとって最も便利なのはオンライン予約ですが、現地での購入にもコツがあります。

公式サイト/アプリでの事前購入手順と注意点

トレニタリアやイタロには公式サイトとスマートフォンアプリがあり、出発地・到着地・日時を指定するだけで簡単に購入できます。予約完了後にメールやアプリ内でチケット(QRコード)が送られてくるため、印刷せずに利用可能です。

ただし、変更や払い戻しは運賃種別によって条件が異なるため、キャンセル料の規定を確認してから購入しましょう。セール価格は変更不可のことが多い点にも注意が必要です。

駅の自動券売機の使い方(言語切替・支払い・受取)

主要駅の券売機は英語表示に切り替え可能で、操作もシンプルです。まず行き先と日時を選び、座席クラスや人数を入力します。支払いはクレジットカードまたは現金が使え、紙チケットがその場で発券されます。

打刻が必要なタイプの場合、発券後すぐに打刻する習慣をつけておくと安心です。なお、券売機の周囲には手伝いを装う詐欺まがいの人物もいるため、声をかけられても相手にしないよう注意しましょう。

有人窓口の頼み方と混雑回避のコツ

イタリア語に自信がない場合でも、窓口での購入は難しくありません。目的地・日付・時間を紙に書いて見せるだけで伝わります。英語でも対応してくれる駅が多いので安心です。

ただし、大都市の主要駅では観光シーズンに長蛇の列ができることがあります。早朝や午後の空いている時間帯を狙うとスムーズです。

座席クラス・運賃種別(変更・払い戻し条件)の選び方

イタリアの鉄道には「エコノミー」「ビジネス」「プレミアム」など複数のクラスがあり、料金とサービスが異なります。快適さを重視するなら上位クラス、コスパ重視なら早割のエコノミーがおすすめです。

また、運賃種別ごとに変更・払い戻し条件が異なるため、旅程が未確定な場合は柔軟性の高いチケットを選びましょう。

割引プロモ・早割の探し方と注意事項

公式サイトでは定期的に早割やキャンペーンが実施されています。出発の数週間前に予約すれば最大50%近く安くなることもあります。ただし、安いチケットは変更不可・払い戻し不可の場合が多いので要注意です。

また、第三者の転売サイトを利用するとトラブルの原因になりかねません。信頼できる公式ルートでの購入を心がけましょう。

購入時のポイント:
・オンライン予約なら印刷不要
・券売機利用時は詐欺に注意
・窓口は混雑するため時間に余裕を
・早割はお得だが変更できない場合あり

ミニQ&A:
Q. 日本のクレジットカードは使えますか?
A. 主要駅やオンラインではほとんど利用可能ですが、地方駅では現金のみのこともあります。

Q. 打刻を忘れた場合はどうすればいいですか?
A. すぐに車掌へ申し出れば、場合によってはその場で対応してもらえることがあります。ただし自己申告が原則です。

  • オンライン購入が最も便利で確実
  • 券売機は英語対応・現金支払いも可能
  • 窓口は紙メモを活用すると安心
  • 運賃タイプの違いを理解して購入する
  • 早割は安いが変更不可のことが多い

乗車前〜車内の動き方:失敗しない手順とマナー

ここでは、実際に電車に乗る直前から車内での過ごし方までを具体的に解説します。イタリアの鉄道は自由度が高い一方で、注意を怠るとトラブルにつながることもあります。事前の確認と小さな工夫で、安心して旅を楽しめます。

出発ホームの確認と乗り遅れ防止チェック

イタリアの主要駅では、ホーム番号(Binario)が出発の15〜20分前に掲示されることが多く、直前に変更される場合もあります。そのため、掲示板(Tabellone)をこまめに確認することが重要です。

また、列車番号(Treno No.)を事前にメモしておくと、同じ方面の列車と見間違えることを防げます。余裕を持ってホームに到着し、出発5分前には乗車位置を確認しておきましょう。

車両番号・座席番号の場所と読み取り方

特急や高速列車では、車両番号(Carrozza)と座席番号(Posto)がチケットに記載されています。車両番号は車体の外側やドア付近に表示されており、指定席の場合はその車両に乗る必要があります。

座席番号はシート上部に小さく表示されているため、乗車時に確認しながら移動するとスムーズです。自由席の場合は、他の乗客がいない空席を見つけて座る形式です。

荷物置き場と防犯の基本(スリ対策・ワイヤーロック)

大きなスーツケースは車両の端や出入口近くの荷物置き場(Luggage Rack)に置きます。ただし、盗難防止のためワイヤーロックで固定しておくのが安心です。貴重品は常に手元に置き、頭上棚(Overhead rack)に置く際も目を離さないようにしましょう。

また、長距離列車では眠っている間に荷物を狙われるケースもあるため、チャック付きのバッグを利用するなど工夫が必要です。

検札対応の流れとチケット提示のベストプラクティス

検札員(Controllore)は乗車後に各車両を回ってきます。チケットは紙でも電子でも構いませんが、すぐに提示できるよう準備しておくとスムーズです。オンラインチケットの場合はQRコードを表示して見せます。

もしチケットを紛失したり、打刻を忘れた場合は、検札員が来た時点で自分から説明するのが鉄則です。イタリア語が難しい場合でも、英語で「Sorry, I forgot to validate this ticket」と伝えれば理解してもらえます。

ドア開閉・降車タイミングと乗り間違い対処

イタリアの電車のドアは自動で開かないことがあります。ドア横のボタンを押すと開くタイプが多いため、停車後に自分で操作しましょう。降車駅を間違えた場合でも、焦らず次の駅で降り、反対方向の列車に乗り換えれば大丈夫です。

また、駅名の発音が似ている場合もあるため、GPSアプリなどで現在位置を確認しておくと安心です。

乗車時の心得:
・ホーム番号は直前に変わることもある
・荷物は必ずロックして目を離さない
・検札時はチケットをすぐに提示
・ドアは自分で開けるタイプも多い

具体例:ミラノ中央駅からヴェネツィア行きに乗る際、出発直前にホームが変更されることがあります。掲示板の更新を見逃すと列車を逃すため、5分おきにチェックするのが安全です。

  • ホーム・列車番号はこまめに確認
  • 荷物の防犯対策は必須
  • 検札時は自発的に提示する姿勢を
  • ドア操作と降車駅の確認を忘れずに

トレニタリアとイタロを徹底比較

イタリア国内を走る主要鉄道会社は「トレニタリア」と「イタロ」の2つです。それぞれ運営母体やサービス内容が異なり、旅のスタイルに合わせて選ぶことが大切です。

運営会社と路線のちがい(国鉄系vs私鉄系)

トレニタリア(Trenitalia)はイタリア国鉄系の企業で、全国の主要都市を網羅しています。一方、イタロ(Italo)は民間の私鉄会社で、高速路線を中心に運行しています。両者とも大都市を結ぶ主要幹線では同じ駅を利用することもあります。

地方都市やローカル線はトレニタリアの独占運行が多く、イタロは主に高速列車に特化しているのが特徴です。

高速列車の種類と特徴(フレッチャ系/イタロ)

トレニタリアの高速列車には「フレッチャロッサ(Frecciarossa)」「フレッチャアルジェント(Frecciargento)」「フレッチャビアンカ(Frecciabianca)」の3種類があります。速度と設備が異なり、フレッチャロッサが最速・最高級です。

イタロはすべて高速列車で、赤い車体が目印です。座席が広くWi-Fi完備で、静かな車両も選択できます。乗り心地を重視するならイタロ、運行本数や地方連絡の多さではトレニタリアが優勢です。

所要時間・料金・快適性の比較ポイント

同じ区間を走る場合、所要時間はほぼ同じですが、料金はイタロの方がやや安いことが多いです。トレニタリアは車両グレードの幅が広く、ビジネス利用にも適しています。

また、駅のラウンジ利用や特典が付く上位クラスもあり、快適性を求める旅には魅力的です。予約サイトで両社の価格を比較して選ぶとよいでしょう。

どちらを選ぶべきか:旅程別のおすすめシナリオ

観光都市を中心に巡る短期旅行では、イタロの高速路線が便利です。特にミラノ〜ローマ間などは本数が多く、時間の正確さも評価されています。

一方で、地方都市を含めた長距離旅ならトレニタリアが最適です。地方駅やローカル列車との接続が良く、一本で目的地まで行けるケースもあります。

トレニタリア・パスの仕組みと使いどころ

トレニタリアでは「Trenitalia Pass」が用意されており、一定期間内に複数の列車を利用できるパスです。短期間で何都市も回る旅行者に便利ですが、座席予約は別途必要です。

イタロには同様のパス制度はありませんが、早期予約割引が豊富なため、旅程が決まっている人にはこちらも魅力的です。

比較まとめ:
・トレニタリア=国鉄系で地方もカバー
・イタロ=高速路線専門で快適性重視
・料金はイタロがやや安め
・旅程によって選択を変えるのがコツ

具体例:フィレンツェからローマへ移動する場合、トレニタリアとイタロの所要時間は約1時間30分前後。料金はイタロが約10〜20%安い傾向がありますが、トレニタリアは発着本数が多く柔軟に選べます。

  • トレニタリア=国鉄系で全国カバー
  • イタロ=快適で観光向き
  • 両者の価格差は10〜20%程度
  • 旅程に応じて使い分けるのが賢明

便利アプリ&運行情報の集め方

イタリア電車の乗り方 高速列車の先頭

イタリアの鉄道旅をスムーズに進めるには、公式アプリや運行情報サイトの活用が欠かせません。アプリを使えば、チケットの購入だけでなく遅延情報やホーム変更の確認も簡単に行えます。

公式アプリの基本機能(検索・予約・チケット表示)

「Trenitalia」アプリと「Italo Treno」アプリは、それぞれの鉄道会社が提供する公式アプリです。出発地と目的地を入力するだけで、料金・所要時間・列車の種類が一覧で表示されます。購入後はスマートフォン画面にQRコードが表示され、検札時に提示するだけでOKです。

アプリ内で時刻表の変更やキャンセルも可能で、通知機能をオンにすれば出発ホーム変更や遅延情報もリアルタイムで届きます。紙のチケットを持ち歩かずに済む点も大きなメリットです。

サードパーティの活用(比較・遅延通知・価格監視)

公式アプリ以外にも、「Trainline」「Omio」「Rail Europe」などの比較アプリがあります。これらは複数の鉄道会社を横断的に検索でき、最安値や所要時間を比較できるのが利点です。

ただし、手数料が加算されることがあるため、最終的な購入は公式サイトで行うのが安全です。比較アプリは「どの便を選ぶか」の参考として活用するとよいでしょう。

ストライキ情報・運休情報のチェックルート

イタリアでは鉄道ストライキ(Sciopero)が発生することがあります。全国規模のものから地域限定のものまであり、公式サイトや交通省の告知ページで事前確認が可能です。

ストライキの予定は通常、数日前に発表されます。旅行中は「Trenitalia News」や「Italo Info」をこまめにチェックし、最新情報を把握しておきましょう。

遅延・運休時の払い戻しや振替の進め方

遅延が60分以上発生した場合、払い戻し(rimborso)や代替列車への振替(cambio treno)が認められることがあります。公式アプリや駅窓口で手続きでき、チケットタイプによって返金率が異なります。

オンラインで購入した場合は、マイページから申請できるため現地で列に並ぶ必要はありません。条件を確認し、焦らず対応することが大切です。

アプリ活用のポイント:
・公式アプリでチケット表示&通知を確認
・比較アプリは便の検索に便利
・ストライキ情報は「Sciopero」で検索
・遅延時は払い戻し申請を忘れずに

ミニQ&A:
Q. オフラインでもチケットを提示できますか?
A. 事前にアプリを開いておけば、通信がなくてもQRコード表示が可能です。

Q. ストライキが当日に起きた場合は?
A. 代替バスが用意されることもありますが、事前通知がない場合も多いので、常に最新情報をチェックしましょう。

  • 公式アプリを入れておくと旅行がスムーズ
  • 比較アプリは最安値探しに便利
  • ストライキ情報はこまめに確認
  • 遅延・運休時は払い戻し申請が可能

主要都市・空港アクセスの実例集

イタリアでは主要都市間を高速列車が網のように結び、空港アクセスにも鉄道が多く利用されています。ここでは代表的な区間の特徴を具体的に紹介します。

ローマ⇄フィレンツェ:本数・所要・料金の目安

ローマとフィレンツェ間は、トレニタリア・イタロともに1時間30分前後で結ばれています。運行本数は1時間あたり3〜4本と多く、観光客にも人気の区間です。料金は早割で片道約€25〜40程度です。

朝と夕方の時間帯は混み合うため、事前予約をおすすめします。座席指定がないチケットでは満席の場合に立席となることもあります。

ミラノ中央駅と空港連絡(マルペンサ・ベルガモ)

ミラノ中央駅からマルペンサ空港までは「マルペンサ・エクスプレス(Malpensa Express)」が便利です。所要約50分で、30分ごとに運行しています。ベルガモ空港へはバスが主流ですが、駅から連絡バスが出ています。

空港行きの列車は定時運行が多いものの、ストライキや遅延には注意しましょう。出発3時間前には駅に到着するのが安心です。

ヴェネツィア行きの注意点(サンタルチア/メストレ)

ヴェネツィアには2つの主要駅があります。運河のすぐそばにある「サンタルチア駅」と、本土側の「メストレ駅」です。目的地が市内中心部の場合はサンタルチア駅行きを選びましょう。

一方で、宿泊が本土側ならメストレ駅で下車すると便利です。切符購入時に駅名を間違えないよう注意が必要です。

ナポリ・南イタリア方面へ行くときの選択肢

ナポリまではローマから高速列車で約1時間10分です。南部エリアではローカル線の本数が少ないため、時刻表を事前に確認することが大切です。観光地のポンペイへはナポリ中央駅から「チルクムヴェスヴィアーナ線」で約30分です。

また、遅延が多い路線もあるため、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

シチリア島の事情(列車とバスの使い分け)

シチリア島では鉄道網が本土ほど発達していません。主要都市間は列車もありますが、山岳地帯などはバスの方が便利な場合もあります。パレルモやカターニア間は列車で約3時間半、空港連絡も整備されています。

「世界の車窓から」気分を味わいたいなら列車旅がおすすめですが、時間を重視する場合はバスを選ぶと効率的です。

アクセスまとめ:
・ローマ〜フィレンツェは高速列車が便利
・ミラノ空港へは専用エクスプレスが最適
・ヴェネツィアは駅名を確認して購入
・南イタリアはローカル線とバス併用が基本

具体例:ヴェネツィア観光の際、誤って「メストレ行き」のチケットを購入してしまうと本土で下車してしまいます。旅行プランに応じて「Venezia S. Lucia」を選ぶことがポイントです。

  • 都市間移動は高速列車が中心
  • 空港アクセスは専用エクスプレスが便利
  • 駅名の確認ミスに注意
  • 南部ではローカル線とバスを使い分ける

トラブル回避と安全対策の実践知

イタリアの電車旅は快適ですが、慣れない環境では思わぬトラブルが起きることもあります。ここではスリやストライキなど、旅行者が直面しやすい問題とその防止策を整理します。安全に楽しむための実践的な知恵をまとめました。

駅・車内のスリ/詐欺パターンと未然防止

観光客が多い駅では、スリが集まりやすい傾向にあります。特に券売機周辺や混雑する乗車口付近では、手伝いを装って近づく人に注意が必要です。財布やスマートフォンは前ポケットか内ポケットに入れ、バッグのチャックは常に閉めておきましょう。

また、「チケットを見せて」などと話しかけてくる人は偽の係員であることもあります。公式スタッフは制服を着用しており、胸に社名ロゴが入っています。声をかけられたら、まず身分証を確認する習慣をつけておくと安全です。

ストライキ発生時の動き方と代替手段(バス・配車)

イタリアでは鉄道ストライキが頻繁に起きますが、事前に発表されるのが一般的です。運行中止の場合、代替バスや他路線への振替が案内されます。公式アプリや交通省サイト(Ministero delle Infrastrutture e dei Trasporti)で最新情報を確認しましょう。

どうしても移動が必要な場合は、タクシー配車アプリ「Free Now」や「ItTaxi」も選択肢です。ただしストライキ当日は渋滞が発生しやすいため、出発時間を早めに設定するのがおすすめです。

ルール・マナーと知っておくべきローカル常識

イタリアでは車内での電話は控えめにし、音楽をイヤホンで聴くのがマナーです。荷物を座席に置くのも避けましょう。また、車内での飲食は短距離列車では控えるのが一般的です。

一方、長距離列車では軽食や飲み物を持ち込む人も多く、ビジネスエリアでは静かに過ごすのがルールです。周囲に配慮することで、現地の人にも好印象を与えられます。

子連れ・高齢者・大荷物での移動を楽にする工夫

駅構内にはエスカレーターやエレベーターが整備されていますが、古い駅では階段のみの場所もあります。大荷物を運ぶ場合は、早めに到着して余裕をもって移動しましょう。駅員に声をかければ、荷物の運搬を手伝ってくれることもあります。

子ども連れの場合は、乗車前にトイレを済ませておくと安心です。長距離列車にはベビーカー対応のスペースも用意されています。

深夜・早朝便を使うときの安全チェックリスト

夜間の駅構内は人が少なく、治安が不安定になることがあります。可能であれば日中に移動を済ませ、夜間はタクシーや宿泊先の送迎を利用しましょう。

どうしても早朝や深夜の便を使う場合は、駅周辺の明るい場所を選び、荷物を足元に置いて休むようにしてください。貴重品は体の前側で管理するのが鉄則です。

安全対策まとめ:
・券売機周辺のスリに注意
・公式職員以外の呼びかけに応じない
・ストライキ情報を事前に確認
・夜間移動はできるだけ避ける
・貴重品は常に体の前で管理

具体例:フィレンツェ駅では、券売機前で「使い方を教える」と声をかけてくる人がいます。手伝いを装いながら現金を抜き取る手口です。操作は自分で行い、近づく人がいたら「No, grazie(結構です)」とはっきり伝えることが大切です。

  • スリや詐欺は「親切な声かけ」から始まる
  • ストライキ時は代替交通を早めに確保
  • 車内マナーを守ると快適な旅に
  • 夜間は安全確保を最優先に行動

まとめ

イタリアの電車は、都市間の移動を快適かつ効率的に行える便利な交通手段です。ただし、日本とは異なる仕組みが多く、打刻や検札、ストライキへの備えなど、いくつかの注意点を理解しておくことが欠かせません。

チケットはオンライン購入が最も安心で、アプリを活用すればホーム変更や遅延情報も簡単に確認できます。トレニタリアとイタロのどちらを選ぶかは、旅の目的やルート次第です。快適さを重視するならイタロ、地方へのアクセスを重視するならトレニタリアが適しています。

そして、何よりも大切なのは「余裕を持つこと」です。出発前のホーム確認や打刻のチェック、荷物の防犯対策など、少しの準備がトラブルを防ぎ、旅をより安心で楽しいものにしてくれます。この記事を参考に、イタリアの鉄道旅を安全に、そして快適に楽しんでください。

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