イタリアから日本への直行便は、2024年末からの新路線就航により、ローマとミラノの2都市から選べる時代になりました。長年、直行便の選択肢が限られていたイタリア―日本間ですが、現在は複数の便を比較しながら旅程を組めます。乗り換えなしで帰国できる直行便は移動の疲れを大きく減らせるため、渡航前に運航状況・時刻・料金をしっかり把握しておくとよいでしょう。
現在、日本との直行便を運航しているのは、イタリアの国営航空会社であるITAエアウェイズ(羽田―ローマ線)と、全日本空輸・ANA(羽田―ミラノ線)の2社です。いずれも出発・到着は羽田空港(東京国際空港)となります。成田空港発着の直行便は2026年4月時点では運航されていません。
この記事では、2路線それぞれの運航スケジュール・飛行時間・料金目安・機材・選び方のポイントを整理します。乗り継ぎ便との比較や、予約前に確認しておきたい注意点もあわせてまとめています。
イタリアから日本への直行便は現在2路線
イタリアと日本を結ぶ直行便は、長らく1社のみの運航でしたが、2024年12月にANAが羽田―ミラノ線を新規開設したことで、ローマとミラノの2都市から選べるようになりました。どちらも出発・到着は羽田空港です。
ITAエアウェイズ:ローマ―羽田線
ITAエアウェイズ(ITA Airways、旧アリタリア航空の後継)は、2022年11月5日よりローマ・フィウミチーノ空港(レオナルド・ダビンチ国際空港)と東京・羽田空港を結ぶ直行便を運航しています。当初は週3往復体制でしたが、2024年3月1日より毎日1往復(週7便)体制に増便されました。
使用機材はエアバスA350-900型機です。ANAとコードシェアを結んでおり、ANAの便名でも予約できます。現地時間の時刻ではなく、日本時間での到着を意識して選ぶと旅程が組みやすくなります。
ANA:羽田―ミラノ・マルペンサ線
ANAは2024年12月3日、羽田空港とミラノ・マルペンサ空港(MXP)を結ぶ直行便を週3往復(火・木・日)で開設しました。ANAがミラノへ定期便で乗り入れるのは約25年ぶりとなります。
ANAのミラノ線は深夜出発の設定で、羽田を午前1時5分に出発しミラノに同日8時30分に到着します。復路はミラノ10時30分発、翌日羽田7時30分着のスケジュールです。週3便のため、出発日が限られる点に注意が必要です。
ITAエアウェイズ:羽田―ローマ(毎日1往復)
ANA:羽田―ミラノ(週3往復:火・木・日)
成田発着の直行便は現在なし
かつての直行便との変遷
日本とイタリアを結ぶ直行便は、アリタリア―イタリア航空がローマ・ミラノへの便を運航していた時期が長く続きました。しかし同社は2021年10月14日に経営破綻し、後継会社としてITAエアウェイズが設立されました。
ITAエアウェイズは2022年11月から羽田―ローマ線を順次拡大し、2024年には毎日運航を実現。さらに同年12月にANAがミラノ線を開設したことで、選択肢が広がっています。在日イタリア大使館の公式情報では、ITAエアウェイズはイタリアの国が全額出資する国営フラッグキャリアと位置づけられています。
- アリタリア航空は2021年10月に破綻、後継のITAエアウェイズが2022年11月から日本線を再開
- 2024年3月からITAエアウェイズが毎日運航に増便
- 2024年12月にANAが羽田―ミラノ線を新規就航(約25年ぶり)
- 現在、日本との直行便はローマとミラノの2路線
各路線の飛行時間と時刻表の詳細
直行便の飛行時間は往路と復路で大きく異なります。偏西風の影響を受けるため、ヨーロッパ→日本の復路は往路より所要時間が短くなる傾向があります。出発時刻や到着時刻によって、現地での初日の使い方も変わるため、時刻表の確認は旅程設計の基本です。
ITAエアウェイズ 羽田―ローマ線の時刻
2025年夏期ダイヤ(2025年3月30日〜10月25日)の時刻表は以下のとおりです。羽田12時45分発、ローマ同日20時30分着(AZ0793便、NH6690便でも予約可能)。復路はローマ14時55分発、羽田翌日10時25分着(AZ0792便)となっています。
往路の飛行時間は約14時間45分、復路は約12時間30分が目安です。ダイヤは季節(夏期・冬期)によって変わるため、実際の搭乗前にITAエアウェイズまたはANA公式サイトの最新スケジュールを確認するとよいでしょう。
ANAミラノ線の時刻と飛行時間
ANAの羽田―ミラノ線(NH207/NH208便)は、深夜出発のスケジュールです。羽田発は午前1時5分、ミラノ・マルペンサ空港着は同日8時30分。復路はミラノ10時30分発、翌日羽田7時30分着となっています。
飛行時間はミラノ行き(往路)が約14〜15時間、復路が約12〜13時間の目安です。週3便(火・木・日曜出発)のため、旅程を組む際は曜日を事前に確認する必要があります。最新の時刻表はANA公式サイトの国際線スケジュールページで確認できます。
| 区間 | 航空会社 | 便名 | 出発時刻(羽田) | 到着時刻(現地) | 運航日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 羽田→ローマ | ITA Airways | AZ0793 | 12:45 | 20:30(同日) | 毎日 |
| ローマ→羽田 | ITA Airways | AZ0792 | 14:55 | 翌日10:25 | 毎日 |
| 羽田→ミラノ | ANA | NH207 | 01:05 | 08:30(同日) | 火・木・日 |
| ミラノ→羽田 | ANA | NH208 | 10:30 | 翌日07:30 | 火・木・日 |
時刻選びで意識したいポイント
羽田発ローマ行きは昼間出発のため、出発日の午前中まで国内での活動が可能です。一方、ANAのミラノ行きは深夜出発のため、出発前日の夜には空港近くで宿泊するか、夜間の移動手段を確保しておく必要があります。
復路はどちらの路線も日本着が翌日午前中となります。帰国後すぐに仕事や学校がある場合は、到着日の翌日以降に予定を入れておくとゆとりが生まれます。
- ITA羽田発は昼間出発のため、当日午前中まで国内で行動できる
- ANA羽田発は深夜出発のため、空港近くでの前泊を検討するとよい
- 復路は両路線とも翌日午前着のため、帰国翌日に予定を入れておくと安心
- ダイヤは夏期・冬期で変わるため、予約時に公式サイトを確認する
直行便と乗り継ぎ便の比較
直行便が選択肢として登場したことで、乗り継ぎ便との比較が現実的な問題になっています。移動時間・料金・体力消耗のバランスは人によって異なるため、双方の特徴を整理しておくとよいでしょう。
飛行時間の違い
直行便でローマまでの所要時間は往路が約14〜15時間、復路は約12〜13時間です。乗り継ぎ便を利用する場合、経由地での待ち時間が加わるため、全体で20時間前後かかることもあります。
よく使われる乗り継ぎ経由地としては、ドバイ(エミレーツ航空)・フランクフルト(ルフトハンザ)・パリ(エールフランス)・イスタンブール(ターキッシュエアラインズ)などがあります。乗り継ぎ時間が短ければ全体の旅程を圧縮できますが、乗り換えに慣れていない場合は余裕のある接続時間を確保するとよいでしょう。
料金の目安と価格差
直行便は乗り継ぎ便と比較して、一般的に割高になる傾向があります。ITAエアウェイズのエコノミークラスで往復約15〜30万円台、ANAで往復約18〜34万円台が目安となりますが、時期・予約タイミング・座席クラスによって大きく変動します。
乗り継ぎ便はシーズンや路線によって直行便より数万円安く購入できる場合もあります。ただし、乗り継ぎ時間・手荷物の受け取り・入国審査のリスクも考慮に入れておくとよいでしょう。最新料金はITAエアウェイズ公式サイトのフライト検索ページ、またはANA公式サイトの国際線運賃ページで確認できます。
直行便:移動時間が短く体力的な負担が少ない。料金はやや高め
乗り継ぎ便:選択肢が多く料金が安い場合も。全体で20時間以上かかることも
料金差は往復で数万円〜10万円超になる場合もあり、時期による変動が大きい
乗り継ぎ便を選ぶときの注意点

乗り継ぎ便では、経由地の空港で再度セキュリティ検査を受けることがあります。乗り継ぎ時間が短すぎると、遅延が発生した場合に次便に乗り遅れるリスクがあります。初めて利用する経由空港では、最低でも1時間30分〜2時間の乗り継ぎ時間を確保するとよいでしょう。
また、乗り継ぎ便では荷物の最終目的地への転送確認が必要な場合があります。予約時に手荷物の扱いを航空会社に確認しておくと安心です。
- 乗り継ぎ便の総移動時間は20時間前後になることが多い
- 直行便の料金目安:ITA往復約15〜30万円台、ANA往復約18〜34万円台(変動あり)
- 乗り継ぎ時間は最低1時間30分〜2時間を目安に確保するとよい
- 荷物の転送確認は予約時に行うとよい
直行便の機材・座席クラスと快適性
長時間のフライトでは機材の種類や座席クラスが快適性に直結します。直行便2路線で使用される機材の特徴と、利用できる座席クラスを整理します。
ITAエアウェイズのA350-900型機
ITAエアウェイズが羽田―ローマ線に使用するエアバスA350-900型機は、広胴機(ワイドボディ機)に分類されます。機内の湿度や気圧を従来機材より快適に保つ設計が特徴で、長距離フライトでの体への負担を軽減するとされています。
座席クラスはビジネスクラス・プレミアムエコノミー・エコノミークラスが設定されています。各クラスの詳細な座席配置・シートピッチ・アメニティはITAエアウェイズ公式サイトの機内設備ページで確認できます。
ANAのボーイング787型機(ミラノ線)
ANAの羽田―ミラノ線で使用される機材は、ボーイング787型機(ドリームライナー)です。軽量の炭素繊維複合材を多用した機体で、燃費効率と機内環境のバランスを重視した設計となっています。機内気圧や湿度が従来機材より乗客に配慮した設定になっています。
座席クラスはファーストクラス・ビジネスクラス(THE Room等)・プレミアムエコノミー・エコノミーが設定されています。詳細な機材・座席情報はANA公式サイトの国際線機材・シートページで確認できます。
ITA Airways(ローマ線):エアバスA350-900。ビジネス・プレミアムエコノミー・エコノミーの3クラス
ANA(ミラノ線):ボーイング787型機。ファースト・ビジネス・プレミアムエコノミー・エコノミーの4クラス
最新の座席配置・料金は各航空会社公式サイトで確認を
長時間フライトで快適に過ごすために
約12〜15時間のフライトでは、機内での過ごし方が到着後のコンディションに影響します。エコノミークラスでは定期的に立ち上がって軽いストレッチを行うことが、血流維持に効果的です。
また、機内の湿度は低くなりやすいため、こまめな水分補給をするとよいでしょう。機内食のタイミングや映画・エンターテインメントの内容は、各航空会社の公式サイトまたは予約後の案内メールで確認できます。
- ITA:A350-900型機を使用。長距離フライト向けの快適設計
- ANA:ボーイング787(ドリームライナー)を使用
- 機内では定期的なストレッチと水分補給を心がけるとよい
- 座席クラスの詳細は各社公式サイトの機材・シートページで確認できる
予約前に確認しておきたいポイント
直行便の予約前には、時刻表・料金以外にもいくつかの実務的な確認事項があります。空港のターミナル・手荷物規定・マイレージ提携などを事前に把握しておくと、当日の手続きがスムーズになります。
出発・到着ターミナル
羽田空港の国際線は第3ターミナル(旧国際線ターミナル)が主な拠点ですが、ANAの国際線はANA専用の第2ターミナル国際線施設から出発します。国内線との乗り継ぎを考慮する場合は、ターミナル間の移動時間を計算に入れておくとよいでしょう。
ローマ側の到着・出発はフィウミチーノ空港(FCO)、ミラノ側はマルペンサ空港(MXP)です。両空港ともローマ市内・ミラノ市内へのアクセス手段(電車・バス・タクシー)が複数あります。フィウミチーノ空港からローマ中心部への鉄道(レオナルド・エクスプレス)の所要時間は約32分、マルペンサ空港からミラノ中心部へのマルペンサ・エクスプレスの所要時間は約52分が目安です。
手荷物規定とマイレージ
手荷物の無料許容量は座席クラスと航空会社によって異なります。エコノミークラスでは預け荷物1個・23kgが一般的な目安ですが、ITAエアウェイズ・ANAそれぞれの正確な規定は各社公式サイトの手荷物ページで確認してください。
マイレージについては、ITAエアウェイズはスカイチームアライアンスに加盟しており、デルタ航空・エールフランスなどのマイレージプログラムと互いのフライトで積算できます。ANAはスターアライアンスに加盟しているため、ANAマイレージクラブでの積算が可能です。
ビザと入国手続き
日本国籍のパスポートを持つ場合、短期観光目的(90日以内)であればシェンゲン協定加盟国であるイタリアへのビザは不要です。ただし、2025年にEU域内で導入が進むETIAS(欧州旅行情報認証システム)の状況については、在日イタリア大使館の公式情報や外務省の海外安全情報ページで最新情報を確認するとよいでしょう。
帰国時の日本入国については、税関申告や携行品・別送品の手続きが必要です。外務省の公式ウェブサイト「海外安全情報」や税関の公式ページで最新のルールを確認しておくと安心です。
- ANAのミラノ線は羽田第2ターミナル国際線施設から出発
- ローマ着はフィウミチーノ空港(FCO)、ミラノ着はマルペンサ空港(MXP)
- 手荷物規定・マイレージ積算は各社公式サイトで要確認
- ETIAS導入状況は在日イタリア大使館または外務省の公式情報で確認を
- 日本国籍の短期観光にはイタリア入国ビザ不要(90日以内)
まとめ
イタリアから日本への直行便は、ITAエアウェイズの羽田―ローマ線(毎日)とANAの羽田―ミラノ線(週3便)の2路線が現在運航されています。
旅程を組む最初のステップとして、出発・帰国希望日にANAまたはITAエアウェイズの公式サイトで空席と料金を確認してみるとよいでしょう。ミラノ・ローマどちらを拠点にするかによって選ぶ路線も変わります。
直行便の就航状況は今後も変わりうるため、出発前には各航空会社の公式サイトと在日イタリア大使館・外務省の最新情報を確認することをおすすめします。イタリアへの旅が充実したものになることを願っています。


