ミラノ旅行の第一歩は、マルペンサ空港(MXP)から始まります。ミラノ市内から北西約50kmに位置するこの空港は、日本からの直行便が発着するイタリア北部の主要国際空港です。到着後にスムーズに動き出せるよう、空港の構造・市内へのアクセス手段・施設の使い方・免税手続きの流れまで、必要な情報を一つにまとめました。
マルペンサ空港を初めて利用する場合に特に戸惑いやすいのが、ターミナルの構造と市内への移動手段の選択です。電車・バス・タクシーのそれぞれに特徴があり、同行者の人数や到着時刻、荷物の量によって最適な選択肢が変わります。事前に比較しておくと、到着後の動きが格段にスムーズになります。
空港内の設備も充実しており、ハイブランドの免税店から両替所・薬局・手荷物預かり所まで一通り揃っています。出発前にも帰国前にも役立つ情報をまとめましたので、旅の準備にお役立てください。
ミラノ・マルペンサ空港とはどんな空港か
マルペンサ空港の基本情報を整理しておくと、現地での行動がよりスムーズになります。ミラノには複数の空港があるため、それぞれの役割を把握しておくと混乱を防げます。
空港の規模と位置
ミラノ・マルペンサ国際空港(空港コード:MXP)は、ミラノ市中心部から北西約50kmに位置する国際空港です。旅客数ではローマ・フィウミチーノ空港と並ぶイタリア最大規模の空港の一つで、年間約2,600万人が利用します。
日本からはANA(全日空)が羽田空港から直行便を運航しており、多くの旅行者がこの空港を起点にミラノ滞在をスタートさせます。第1ターミナルの設計者は関西国際空港と同じレンゾ・ピアノで、建築に関心がある方にとっても見どころの一つです。
ミラノの3つの空港との違い
ミラノには主に3つの空港があります。マルペンサ空港・リナーテ空港・ベルガモ・オーリオ・アル・セーリオ空港です。それぞれの役割を把握しておくと旅行計画が立てやすくなります。
| 空港名 | 主な路線 | 市内中心部からの距離 |
|---|---|---|
| マルペンサ(MXP) | 国際線・長距離路線 | 約50km(北西) |
| リナーテ(LIN) | 欧州内・国内線 | 約7km(東) |
| ベルガモ(BGY) | LCC中心・欧州内 | 約45km(北東) |
日本からの直行便や乗り継ぎ便の多くはマルペンサ空港に発着します。東京でいえば成田空港に近いイメージで、市内までのアクセスに時間がかかる分、早めの移動計画が大切です。
ターミナル1とターミナル2の違い
マルペンサ空港には第1ターミナル(T1)と第2ターミナル(T2)の2つのターミナルがあります。日本からのANA直行便を含む国際線の大部分はターミナル1に到着します。ターミナル2は格安航空会社easyJetの専用ターミナルで、イタリア国内線や欧州内路線に使われます。
ターミナル間の移動は無料のシャトルバスを利用します。昼間は約7〜15分間隔で運行しており、乗り場はターミナル1の地下1階・ターミナル2の出発階前にあります。乗り継ぎ便でターミナルが変わる場合は余裕を持って移動しましょう。
チケットや搭乗券に記載の「Terminal 1」または「Terminal 2」を出発前に必ず確認しましょう。日本からの直行便・主要国際線はほぼT1。LCC(easyJet)はT2です。
- マルペンサ空港(MXP)はミラノ市内から北西約50kmに位置するイタリア北部最大の国際空港
- 日本からのANA直行便を含む国際線の大部分が第1ターミナルに発着する
- 第2ターミナルはeasyJet専用で、欧州内路線・国内線に対応
- ターミナル間は無料シャトルバスで移動できる
- ミラノには3つの空港があり、用途によって使い分けられている
マルペンサ空港から市内への主な移動手段
市内へのアクセス方法は大きく3つあります。それぞれに料金・所要時間・使いやすさの違いがあり、旅行スタイルや同行者の人数によって選択が変わります。以下では電車・バス・タクシーの順に整理します。
マルペンサ・エクスプレス(特急列車)
渋滞の影響を受けずに市内中心部へ移動できるのが、Trenord(トレノルド)が運行する「マルペンサ・エクスプレス」です。第1ターミナルの地下に専用駅が直結しており、案内表示に従って進むとスムーズにホームにたどり着けます。
運行ルートは2系統あります。ミラノ中央駅行き(所要約50〜55分)と、ミラノ・カドルナ駅行き(所要約37〜43分)です。ミラノ中央駅はミラノの主要ターミナル駅で地下鉄2号線・3号線に接続し、カドルナ駅は地下鉄1号線・2号線に接続します。宿泊エリアによって乗り換えやすい路線が変わりますので、目的地を確認してから選びましょう。
料金は片道15ユーロ(2026年時点)で、4歳未満は無料です。チケットは空港内の自動券売機・窓口のほか、Trenord公式サイト(英語)やオンライン旅行サービスからも購入できます。最新の時刻表・料金はTrenord公式サイト(https://www.trenord.it)でご確認ください。
空港シャトルバス(プルマン)
電車より料金を抑えたい場合に便利なのが空港シャトルバスです。ミラノ中央駅まで約50〜60分で結んでおり、主に4社が運行しています。乗り場は第1ターミナルの出口4付近(ほぼ正面)にあり、第2ターミナルにも乗り場があります。
| 会社名 | 片道料金(目安) | 運行時間(空港発) |
|---|---|---|
| Terravision | 10ユーロ | 5:10〜翌1:40頃 |
| Malpensa Shuttle | 10ユーロ | 5:20〜翌1:20頃 |
| Airport Bus Express(Autostradale社) | 10ユーロ | 5:00〜翌2:40頃 |
| Caronte | 10ユーロ前後 | 公式サイトで確認 |
チケットは乗り場付近の窓口や各社の公式サイト・オンラインサービスでも購入できます。深夜まで運行しているため、到着時刻が夜間になる場合にも対応しています。ただし道路状況によって所要時間が変動する点は考慮しておくとよいでしょう。最新の時刻・料金は各社の公式サイトでご確認ください。
タクシー・送迎サービス

複数人での旅行、荷物が多い場合、深夜・早朝到着の場合は正規タクシーが便利です。マルペンサ空港からミラノ市内中心部までは定額制が導入されており、料金は114ユーロ(2026年時点)です。所要時間は道路状況により約45〜60分かかります。
タクシー乗り場は各ターミナルの到着ロビー正面にあります。正規タクシーは白い車体で、助手席側に車両番号のプレートが貼られています。到着ロビー内で「タクシー」と声をかけてくる人は白タクと呼ばれる非正規業者の場合があるため、必ず正規乗り場から乗車しましょう。最新の定額料金はマルペンサ空港公式サイト(https://www.milanomalpensa-airport.com)の「BY TAXI」ページで確認できます。
日本語対応の事前予約送迎サービスも複数のオンライン予約サイトで提供されています。到着ロビーで専用ドライバーが待機しており、ホテルまでドア・ツー・ドアで移動できるため、言語に不安がある方や初めての方に向いています。
1人・少人数でコストを抑えたい → シャトルバス(10ユーロ)
時間を重視・渋滞を避けたい → マルペンサ・エクスプレス(15ユーロ)
複数人・深夜到着・荷物が多い → 正規タクシー(114ユーロ/台)
- マルペンサ・エクスプレスはミラノ中央駅まで約50〜55分、片道15ユーロ
- シャトルバスは片道10ユーロ程度、ミラノ中央駅まで約50〜60分
- 正規タクシーは定額114ユーロ、24時間利用可能
- タクシー乗り場は必ず正規のレーンから利用し、声かけには応じない
- 最新の料金・時刻表は各交通機関の公式サイトで確認する
到着後に知っておきたい空港内の施設
到着後すぐに必要になる施設の位置を把握しておくと、空港内での時間を無駄なく使えます。両替・SIM・手荷物など、よく利用される設備を整理します。
到着ロビーの基本的な流れ
国際線で到着した場合、パスポートコントロール(入国審査)→荷物受け取り→税関の順に進みます。EU圏外の旅行者は「EU圏外(Non-EU)」のレーンに並びます。日本のパスポート保持者はe-Gateと呼ばれる自動入国審査ゲートを利用でき、待ち時間を短縮できます。
入国審査を終えて出口を出ると、地上階(グラウンドフロア)の到着ロビーに出ます。この階には待合バール・両替所・ホテル予約カウンター・薬局・銀行ATM・チケット販売窓口などが集まっています。市内へのシャトルバスや送迎のチケットもここで購入できます。マルペンサ・エクスプレスの乗り場は地下に降りて進んだところにあります。
両替・ATM・SIM
両替所は到着ロビーと出発エリアの両方にあります。ただし、空港内の両替は一般的に手数料が高めに設定されているため、大きな金額を換える場合は市内の銀行やATMを利用するほうが有利です。カード対応のATMは空港内各所に設置されており、クレジットカードやデビットカードでのユーロ引き出しが可能です。
現地SIMカードの購入を考えている場合、到着ロビーにSIM販売専用カウンターが設置されています。イタリアでのデータ通信に備えてeSIMを日本で事前に準備しておく方法もあります。どちらの方法が自分に合っているかは、使用するスマートフォンの対応状況によって異なります。
手荷物預かり・その他設備
手荷物預かりサービス(Baggage Storage)はターミナル1に設置されています。ミラノ観光後に夜便で帰国する場合など、空港に早めに着いて荷物を預けておきたい際に便利です。営業時間や料金は空港公式サイトで確認しておくと安心です。
薬局はターミナル1の地下階と出発エリアB(1階)に営業時間が設けられています。医療施設も設置されており、緊急の際にも対応できます。喫煙所は空港内にはなく、喫煙は空港建物の外のみ可能です。
- 到着ロビーはグラウンドフロアで、両替・ATM・シャトルバスチケット購入窓口が集まっている
- 日本パスポートはe-Gateを利用できる(マルペンサ空港公式サイトで対象国を確認のこと)
- 空港内の両替は手数料が高めのため、ATMや市内での両替も選択肢に
- SIMカードは到着ロビーの専用カウンターで購入可能
- 手荷物預かりは営業時間があるため、公式サイトで事前確認を
ショッピングと空港内での過ごし方
マルペンサ空港はショッピング施設が充実しており、特に第1ターミナルにはハイブランドの免税店が集まっています。待ち時間を有効に活用できる空間が整っています。
ショッピングエリアの構成
第1ターミナルには3つのショッピングエリアがあります。「Piazza del Lusso(ルッソ広場)」にはエルメス・プラダ・アルマーニ・バーバリー・ブルガリ・フェラガモなどのハイブランド免税店が並びます。「Piazza del Pop(ポップ広場)」はミラノのストリートファッション系ブランドが中心で、「Piazza del Gusto(グスト広場)」はイタリアのフードやレストランが楽しめるエリアです。この3エリアはすべて第1ターミナル内でつながっています。
パスタ・パスタソース・チョコレートなどのイタリア食品土産もグスト広場で購入できます。帰国直前に買いそびれた場合でも、空港内でひと通りのイタリア土産が揃います。ワインやバルサミコ酢など液体類も機内持ち込み制限に注意しながら購入できます。第2ターミナルにも小規模ながら免税店・カフェ・ファストフードがあり、早朝から営業するショップもあります。
ラウンジの利用
第1ターミナルには4つのラウンジ、第2ターミナルには1つのラウンジが設置されています。ビジネスクラス搭乗者・スターアライアンスゴールドメンバーのほか、プライオリティパスなど対象のクレジットカードで入場できるラウンジもあります。利用できるラウンジは航空会社やカード会社によって異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
待ち時間が長い場合は、到着ロビー付近のバール(カフェ)でエスプレッソや軽食を楽しむのもミラノらしい過ごし方です。イタリアのバールはセルフ式が基本で、カウンターで注文する立ち飲みスタイルが一般的です。
出発時刻の2時間前には保安検査場を通過しておくことをお勧めします。ショッピングに熱中して搭乗に遅れるケースが報告されています。免税手続きを行う場合はさらに時間に余裕を持って動くとよいでしょう。
- 第1ターミナルのルッソ広場にはエルメス・プラダなどのハイブランド免税店が集中
- グスト広場でパスタ・チョコレートなどのイタリア食品土産を購入できる
- 第1ターミナルに4つ、第2ターミナルに1つのラウンジがある
- 出発2時間前には保安検査場を通過しておくと安心
- 空港内バールでのエスプレッソはイタリア旅の締めとしても楽しめる
出国時の免税(タックスリファンド)手続き
イタリアで一定額以上のショッピングをした場合、出国時に消費税の一部が還付されます。マルペンサ空港では手続きが一部簡略化されているため、流れを把握しておくとスムーズです。
免税の基本的な仕組み
EU圏でタックスフリーショッピングの対象となるのは、TAX FREEマークのある店舗で1回あたり70ユーロ以上の購入です(2024年2月時点の緩和後の基準)。購入時にパスポートを提示し、店舗から免税書類(リファンドチェック)を受け取ります。この書類は帰国まで大切に保管してください。最新の免税対象額については、マルペンサ空港公式サイト(https://www.milanomalpensa-airport.com)またはタックスリファンド各社の公式情報でご確認ください。
イタリアで購入した商品のみが免税対象の場合、マルペンサ空港では税関スタンプを取得せずにタックスリファンド業者の窓口に直接行く簡略手続きが適用されます。ただし、他のEU国でも購入がある場合は通常の税関スタンプ手続きが必要です。手続き方法は時期や係員によって異なる場合があるため、余裕を持って早めに空港へ到着することをお勧めします。
空港での手続きの流れ
免税品をスーツケースに入れる場合、チェックインカウンターで「タックスリファンド」と伝えて搭乗券だけ受け取り、スーツケースはすぐに預けず手元に持っておきます。免税窓口での確認後、再度チェックインカウンターに戻って荷物を預ける流れになります。免税品を機内持ち込みにする場合は、この往復の手間を省けます。
マルペンサ空港のタックスリファンド窓口は12番カウンター付近にあり、グローバルブルー社(Global Blue)が対応しています。他の業者の書類は窓口や税関で別途手続きが必要になる場合があります。窓口の場所や対応時間は変更されることがあるため、最新情報はマルペンサ空港公式サイト(https://www.milanomalpensa-airport.com/it/negozi-ristoranti/rimborso-iva)でご確認ください。
還付金は現金またはクレジットカードへの返金で受け取れます。クレジットカードを選ぶ場合は口座への反映まで数週間かかることがあります。現金受け取りの場合はユーロでその場で受け取るのが一般的です。
免税手続きのよくある疑問
Q. 免税品は購入後すぐ使っても手続きできますか?
A. 原則として未使用・未開封が条件です。使用済みの商品は免税対象外となる場合があります。購入後は使用を出国後に回すか、手続きが完了するまで新品の状態を保っておきましょう。
Q. タックスリファンドの窓口はいくつありますか?
A. マルペンサ空港でチェックインカウンター付近に確認できるのはグローバルブルー社の窓口です。他の業者(Planet、Premier Tax Freeなど)の書類を持っている場合は、セキュリティゾーン前後に設置された各業者の窓口または税関に確認が必要です。窓口の場所は変更されることがあるため、空港の案内表示も確認しながら行動しましょう。
- 免税対象は原則としてTAX FREEマークのある店舗で70ユーロ以上の購入(最新情報は公式サイトで確認)
- 購入時にパスポートを提示して免税書類を受け取り、帰国まで保管する
- イタリア国内購入のみの場合、マルペンサ空港では税関スタンプなしの簡略手続きが可能
- 免税品をスーツケースに入れる場合は荷物を預ける前に窓口を通る順序に注意
- 手続き内容は変更される場合があるため、空港到着後は案内表示を確認する
まとめ
マルペンサ空港(MXP)はミラノ旅行の玄関口として、日本からの直行便を受け入れるイタリア北部最大の国際空港です。ターミナルの構造・市内へのアクセス・免税手続きをあらかじめ把握しておくだけで、到着後の行動が大きく変わります。
市内への移動は、渋滞を避けて時刻通りに動きたい場合はマルペンサ・エクスプレス(片道15ユーロ)、コストを優先する場合はシャトルバス(片道10ユーロ程度)、深夜到着や複数人グループは正規タクシー(定額114ユーロ/台)と、旅のスタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。料金・時刻はいずれも変動するため、各交通機関の公式サイトで最新情報を確認してから出発しましょう。
ミラノの旅が良いスタートになるよう、空港ガイドを参考に準備を整えてみてください。

