ミラノの空港といえばマルペンサ空港が有名ですが、ヨーロッパ域内からミラノに入る場合、リナーテ空港(空港コード:LIN)を利用するケースがあります。市内中心部から約7〜8kmという近さと、コンパクトで迷いにくい構造が、初めての旅行者にとっても扱いやすい空港です。
地下鉄M4線(青ライン)が2024年10月に全線開通し、サン・バビラ駅まで乗り換えなしで約12分というアクセスが実現しました。バスやタクシーも含め、移動手段の選択肢は複数あります。それぞれに特徴と注意点があるため、宿泊エリアや到着時間帯に合わせて選ぶとスムーズです。
この記事では、リナーテ空港の基本情報から市内へのアクセス方法、空港内の施設、利用時に押さえておきたいポイントまで整理します。初めてリナーテ空港を利用する方の参考になれば幸いです。
ミラノ・リナーテ空港とはどんな空港か
リナーテ空港の規模と役割を整理しておくと、マルペンサ空港との使い分けがより明確になります。どちらがどの路線を担っているかを知っておくと、旅程を組む際に判断しやすくなります。
空港の位置と規模
ミラノ・リナーテ空港(Aeroporto di Milano Linate)は、ミラノ市内の東側、ミラノ中心部から約7〜8kmに位置する国際空港です。ターミナルは1棟のみで、到着・出発・制限エリアがひとつの建物に収まっています。
コンパクトな構造なので、到着後に出口を探して迷うことは少なめです。ただし、保安検査後のエリアは奥まった構造になっており、ゲートまでの距離が予想より長くなる場合があります。搭乗の際は早めの移動をおすすめします。
乗り入れている航空会社と主な路線
リナーテ空港には、エールフランス航空・ルフトハンザドイツ航空・ITAエアウェイズ・スカンジナビア航空などのヨーロッパ系航空会社が乗り入れています。主にヨーロッパ域内路線とイタリア国内線が中心で、日本からの直行便はありません。
日本からミラノへ向かう場合、ローマ・フィウミチーノ空港やミラノ・マルペンサ空港でトランジットを経てリナーテ着となるのが一般的なルートです。ヨーロッパ各都市での乗り継ぎを利用する場合も、リナーテに降り立つことがあります。
マルペンサ空港との比較
ミラノにはリナーテ空港以外に、マルペンサ空港(MXP)があります。マルペンサはミラノ北西約50kmに位置し、日本からの直行便や大型国際線が多く発着する主要空港です。市内までは電車で40〜50分程度かかります。
対してリナーテは市内に近く、地下鉄で12分という利便性が大きな魅力です。東京に例えると、成田空港がマルペンサ、羽田空港がリナーテに相当するイメージです。旅程や利用する航空会社によって使い分けることになります。
・リナーテ(LIN):市内から約7〜8km、地下鉄で約12分、ヨーロッパ域内線・国内線中心
・マルペンサ(MXP):市内から約50km、電車で約40〜50分、国際線・日本直行便あり
どちらを使うかは利用する航空会社のチケット情報で決まります。
- ターミナルは1棟のみで構造がシンプル
- 乗り入れ路線はヨーロッパ域内・国内線が中心
- 日本からの直行便はなく、乗り継ぎが前提
- マルペンサより市内に近く、地下鉄でのアクセスが便利
リナーテ空港から市内へのアクセス方法
リナーテ空港からミラノ市内への移動手段は、地下鉄(M4)・シャトルバス・タクシーの3つが主な選択肢です。料金・所要時間・使いやすさがそれぞれ異なるため、宿泊場所や荷物の量に応じて選ぶとよいでしょう。
地下鉄M4線(最もシンプルな移動手段)
ATM社(ミラノ市交通局)が運行する地下鉄4番線(M4・青ライン)は、リナーテ空港駅とサン・バビラ駅(M1との乗換駅)を直通で結んでいます。2024年10月に全線開通し、空港からドゥオーモ周辺まで約12〜15分でアクセスできます。
チケットは地下鉄駅の自動券売機で購入できます。1回券の料金は2.20ユーロで、改札入場から90分間有効です。この時間内は地下鉄・バス・トラムを組み合わせて使えるため、そのままミラノ市内を移動できます。改札ではクレジットカードや電子決済でのタッチ乗車も対応しています。最新の運行時間はATM公式サイト(atm.it)でご確認ください。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 路線 | M4線(青ライン) |
| 主要経由駅 | リナーテ空港→(途中各駅)→サン・バビラ(M1乗換) |
| 所要時間 | 約12〜15分 |
| 料金(1回券) | 2.20ユーロ(90分有効) |
| 運行時間目安 | 6:00頃〜翌0:00頃 |
シャトルバス(中央駅直行の選択肢)
ミラノ中央駅(Stazione Centrale)まで直行するシャトルバスが運行しています。Autostradale社が運行するバスは、到着ロビーを出たバス乗り場から出発し、ダテオ広場を経由して中央駅そばのルイージ・ディ・サヴォイア広場に到着します。所要時間は約25分で、料金は片道5ユーロです。
チケットは乗車時に運転手から直接購入できるほか、公式サイトでの事前購入も可能です。ホテルが中央駅付近にある場合に便利な手段ですが、運行間隔や始発・終バスの時刻は変わることがあるため、最新情報はAutostradale社の公式サイト(autostradale.it)でご確認ください。
また、ATM社の路線バス(73番・X73番)を使うとサン・バビラ駅周辺まで向かうこともできます。料金は1回乗車券と同じ2.20ユーロで利用できますが、所要時間はやや長めです。
タクシー・専用送迎車

タクシーを利用する場合、市内中心部まで約20〜30分、料金は約20〜30ユーロが目安です。深夜・早朝・休日には割増料金が適用されます。タクシー乗り場は到着ロビーを出てすぐ正面にあります。
注意が必要なのは、到着ロビー内で声をかけてくる非公式のタクシーです。空港内で「タクシー?」と声をかけてくるドライバーは違法なケースがあるため、外の正規タクシー乗り場から乗車するようにしてください。また、レンタカー各社のカウンターも到着ロビーに設置されているため、郊外への移動や自由旅行のルートでは選択肢に入ります(イタリアでの運転には国際免許証が必要です)。
・荷物が少ない・ドゥオーモ周辺に宿泊→地下鉄M4が最もシンプル
・中央駅付近に宿泊→シャトルバスが直行で便利
・深夜着・大荷物・グループ旅行→タクシーも選択肢
料金・運行時間は変わることがあるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。
- 地下鉄M4線は2.20ユーロ・約12分でサン・バビラ駅まで直通
- シャトルバスは5ユーロ・約25分で中央駅まで直行
- タクシーはメーター制・約20〜30ユーロ、深夜は割増あり
- ロビー内の非公式タクシーには乗らず、外の正規乗り場を使う
空港内の施設と過ごし方
リナーテ空港はコンパクトながら、出発前に立ち寄れる施設は一通りそろっています。制限エリア(保安検査後)の方が施設は充実しているため、時間に余裕があれば早めに通過しておくとよいでしょう。
ショッピングと免税店
保安検査を通過した先には、免税店・飲食店・洋服店・本屋・キッズエリアなどが設けられています。免税店ではコスメ・香水・サングラス・イタリア食材・お菓子などが揃い、オリーブオイルの試食コーナーが設けられていることもあります。
また、Eataly(イータリー)のスペースがあり、イタリア食材の購入やコーヒー・軽食を楽しむことができます。窓際でフライトを眺めながら過ごせるイートインスペースも人気です。ピーク時は混雑しやすく、飲食店のサービスに時間がかかることがあるため、ゲート到着前に食事を済ませるのが無難です。
ラウンジの利用
リナーテ空港には、Leonardo Lounge(レオナルド ラウンジ)とPiranesi Lounge(ピラネーシ ラウンジ)の2つのラウンジがあります。いずれも事前予約が可能で、プライオリティパス対応のラウンジも存在します。ソフトドリンク・アルコール・軽食が提供されており、2時間制での利用となっています。
リナーテ空港には空港直結ホテルはないため、早朝フライトや待ち時間が長い場合にラウンジを活用するとよいでしょう。詳細や予約方法は各ラウンジの公式ページまたはプライオリティパス公式サイトでご確認ください。
その他の施設(両替・手荷物預かりなど)
到着ロビーには両替所・郵便局・荷物預かり所・レンタカーカウンターが設置されています。荷物預かりは重さ30kgまで1日4ユーロが目安(時間帯:6:00〜21:30)ですが、料金・営業時間は変更されることがあるため、現地またはリナーテ空港公式サイト(milanolinate-airport.com)で最新情報をご確認ください。
空港内のWi-Fiは無料で利用できます。自動券売機ではクレジットカードと現金の両方に対応しており、英語表示への切り替えも可能なため、イタリア語が分からなくても操作しやすい設計です。
・保安検査後のエリアの方が施設が充実しているため、早めに通過する
・飲食店はゲートから遠い場所にあるため、ゲート確認前に食事を済ませるとよい
・免税手続きはシェンゲン圏外への出国が前提。詳細は空港の免税カウンターで確認する
- 制限エリア内に免税店・Eataly・飲食店が集中している
- ラウンジは2か所、プライオリティパス対応
- 到着ロビーに両替所・荷物預かり・レンタカーカウンターあり
- 空港Wi-Fiは無料利用可能
利用時に気をつけたいポイント
リナーテ空港は使いやすい空港ですが、初めて利用する場合にはいくつか押さえておくと安心な点があります。特に免税・スリ対策・交通チケットの購入方法は事前に把握しておくと役立ちます。
免税手続きの注意点
ミラノでショッピングをして免税申請を考えている場合、リナーテ空港での手続きには条件があります。シェンゲン協定圏外(日本など)への出国が最終出国地である場合に手続きが可能です。ヨーロッパ内でトランジットして帰国する場合は、EUを離れる最後の国での手続きが原則となります。
リナーテ空港でのタックスリファンドは「change – tax refund」と表示されたカウンターで受け付けています。スーツケースをチェックインする前に必要書類を用意してカウンターを訪問するなど、手続きの順序に注意が必要です。具体的なフローは利用航空会社のチェックインカウンターでも確認できます。
スリへの注意
ミラノ市内の公共交通機関は、観光客を狙ったスリが報告されています。地下鉄M4線を利用する際も、混雑した車内では貴重品の管理に気をつけてください。バッグは体の前側に抱え、スマートフォンの出しっぱなしは避けるのが基本的な対策です。
外務省の海外安全情報では、イタリアの観光地や公共交通機関でのスリ・ひったくり被害が案内されています。旅行前に外務省の安全情報ページでご確認いただくとよいでしょう。
チケット購入と改札の使い方
地下鉄M4線のチケットは駅構内の自動券売機で購入できます。券売機は英語表示への切り替えが可能で、クレジットカードでも購入できます。また、クレジットカードや交通系スマートフォン決済でそのまま改札をタッチ通過する方法も導入されています。
なお、ATM公式情報では紙のチケット(従来の磁気チケット)は2025年12月31日をもって廃止予定と案内されていました。それ以降は電子チケット(チャージ式カード)またはコンタクトレス決済が中心になると見込まれます。最新の購入方法はATM公式サイト(atm.it)またはGoogleマップのダイヤ検索もあわせてご参照ください。
| 確認事項 | 確認先 |
|---|---|
| M4線の時刻・料金 | ATM公式サイト(atm.it) |
| シャトルバスの時刻・料金 | Autostradale社公式サイト(autostradale.it) |
| 海外安全情報・スリ対策 | 外務省 公式ウェブサイト |
| 空港施設全般 | リナーテ空港公式サイト(milanolinate-airport.com) |
- 免税申請はシェンゲン圏外への最終出国地での手続きが原則
- 地下鉄では荷物と貴重品の管理に注意
- チケットは自動券売機またはコンタクトレス決済が利用可能
- 紙チケットは廃止が予定されているため最新情報を要確認
まとめ
ミラノ・リナーテ空港(LIN)は、市内中心部から約7〜8kmという近さに位置し、地下鉄M4線を使えばサン・バビラ駅まで約12分でアクセスできます。ターミナルが1棟にまとまったシンプルな構造で、ヨーロッパ各都市との乗り継ぎ拠点として使いやすい空港です。
初めてリナーテ空港を利用する場合、まずM4線の乗り場と自動券売機の場所を把握しておくのがスムーズな出発のポイントです。宿泊エリアが中央駅付近なら、シャトルバスの選択肢も検討してみてください。
旅の始まりと終わりが整うと、ミラノ滞在をより落ち着いて楽しめます。空港の最新情報は公式サイトや外務省の渡航情報もあわせてご確認ください。

